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ボタニカル・アーキテクチャー

建築の仕事を続ける限り、半永久的にコンペを続けていこうと思います。

下手でもいいし、揶揄されてもいい。

自分に美的なセンスも才能も感じたことはないですが、主婦が毎日の夕飯のレシピを考えるように、建築のことを考えていきたいです。

 

 

OMAの建築家ビャルケ・インゲルスはこう言います。

 

 

ビャルケ・インゲルス

建築は「アート+サイエンス+エンジニアリング」だ。アートのように人を感動させるものであり、サイエンスのように深い演繹的な思考が要求され、同時にエンジニアリングの仕事のようにきっちりとうまく稼働しなければならない。

 

 

つまり芸術でも箱でも設備でもないんですね。全て内包。

 

そもそも今の建築家は頼まれないと考えない職種なのではないかと。

「ここに家を建てたいんだけど」

「ここでお店を開きたいんだけど」

と言う具合ですね。お金を出す人から頼まれて初めて仕事が発生してます。

でもそういう建築の時代、日本では終わるべきかもなーと。

 

建築家が自ら、「こんな事業がしたいから、そのための建築をつくりたい、そしてそのためにはこれだけの資金が必要だからこういう事業計画を立てたけどどうですか」という提案までしたい。

自発的にならないといけない、考えるような癖をつけたい。

そんな思いでつらつらとアーカイブ化できたらいいなと思います。

 

 

 

1年前になりますが、「ボタニカル・アーキテクチャー」と言うコンペに参加しました。

 

 

ボタニカルは、直訳すると「植物学的な」という意味です。
植物は、水の循環とも深く関係する自然です。ただ、グリーンと言えば自然そのものを示しますが、ボタニカルという言葉は人間が発見した自然、という意味合いを持ちます。

それは、未開のジャングルのような自然ではなく、庭園のような自然です。
植物園で目にする自然(ボタニカル・ガーデン)、絵画に描かれた自然(ボタニカル・アート)とも言えるでしょう。
人間はこれまで多くの自然を見つけて収集し、植えたり描いたりすることで、植物と結びついてきたのです。

さて、あなたなら、これから植物とどんな関係を築いていきたいですか?
今日のあなた自身の眼差しで発見する、自然と建築の新しい関係を広くお待ちしています。

 

 

ボタニカルと言うテーマだけが与えられたアイデアコンペです。

主催の日新工業さんは毎年コンペを開催されているのですが、建築の枠に捉われてなくてクリエイティブでとても魅力的。

通称、「水コン」と呼ばれるくらい毎年水にまつわるテーマのコンペになってるみたいです。


「4D農業」

僕が考えた最初の案です。

 

4D農業。Dは言わずもがなDimension(次元)です。

通常の農業は2D、いわゆる平面的なものですね。しかし、近年では屋上緑化の技術を使って建築側、ハード側に土壌を据えることに成功してます。

その技術を使って壁面緑化、壁面農業をすると3Dになります。

 

これはいろいろとメリットがあるんですが、まず第一に平面的な拡がりが必要ない。つまり、都市密集地域などの物理的に農地が確保できない地域において有効なんです。何が言いたいかっていうと、地産地消ならぬ家産家消が現実的になるってこと。

欧州では新鮮で安全な食生活のスタイルとしてkm・0(キロメートル・ゼロ)という文化もありますが、これならm・0(メートル・ゼロ)。

そしてもう一つ。高齢化社会における農業問題の一つ、腰を曲げなくて良い農業!が実現できます。

文字どおりヘルシー(健康)ですね。(笑)

 

 

 

その3D農業の技術にもう一つ次元を入れると面白くなるのではないかなーと思ったのがこれです。

簡単にいうと住居と農地が移動する。

外壁に植物性コンクリートという保水性のあるコンクリートを使っています。

コンクリートブロックの孔を植木鉢のように使えるんじゃないかな・と思ったのが始まりでした。

骨材の粒径を大きくすることで、コンクリート内部に通常の約2倍の大きさの空隙を作ります。

 

 

4Dとなり、追加された次元が「場所」なのか「時間」なのか、うまくまとめるまではできなかったですが、農地がフレキシブルに動いて新しい環境を旅することで、少し変わった野菜や果物が突然変異的に発生したり、虫や微生物が集って一つのキャラバンになるようなイメージをしました。

移動しながら、どこでも自給できるポテンシャルが家というものにあれば、変に「将来、年金大丈夫かな」とか「震災でインフラ止まったらどうしよう」とか思わなくても笑って暮らせるんじゃないかな〜と。


「建築の植葬」

次案です。

土と建築が混ざり合った「植物性コンクリート」は面白そうだな〜と思って考えた案がこちら。

 

 

ビルを解体する際は破片や粉塵や飛び散らないように囲いをもうけるのですが、その仮囲いを「仮」でもなく「囲い」でもなく「半永久的に覆う」というような提案です。

化粧型枠のように建物の外観がそのまま中に写って残される。

 

 

 

東京の赤坂プリンスホテルのような超高層ビルが超短期的(30年未満)に壊されるようなショッキングな現実から着想を得た案。

 

 

 

 

建築はよく「記憶のハコ」と言われるように、そこから姿を消しても少しの間は人間の記憶に生きています。

 

しかし、それは想像以上にとても短命。

 

昔、通学路で毎日通ったルートを歩いてみると、本当に多くの建築が死んでいます。

普段の生活でもそうなんじゃないかな。よく行く飲食店が潰れてしまって、1ヶ月も経つと「ここ、何があったっけ?」っていうことありませんか。

建築は本当に儚い。

そんな時、植物はどうなのかと思ったんですね。

植物は一般に自然に落下した種子や動物の散布で連続的に死を迎えます。建築が断片的な死を迎えるのに対して。

 

解体される建築が脱皮したように次世代も使われる提案です。

 

 

 

 

残念ながら賞を獲ることができなかったのですが、このコンペでは充実した、他のものには代え難い時間を過ごすことができました。

もっとスケッチしなきゃなーーー

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